現役消防士~目指せ文武両道

根拠は命、仕事の原点。

建築物の高さ①

 

 こんにちは、白髪ゴリです

今回は建築物の高さと階数について書いていこうと思います

 

消防法では、以前紹介しましたが

第8条の2では「高層建築物は高さが31mを超える建築物」、と定義されていることや

非常コンセント設備では「地階を除く階数が11以上の建築物に設置義務がある」

 

と建築物の高さと階数で大きく設備等が変わってきてしまいます

 

まぁ、実際には消防に書類が来る前に建築課等で精査が終わっているので一から考えると言うことはないとは思いますが・・・

一応どういう考え方をしているのか覚えておきましょう!

 

例えば、こんな建築物があったとします

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温泉街や坂の多い街などでは見たことがあるかと思います

この建築物をパっと見たとき、いろいろなことを想像できるかと思います

 

 

では、いつも通り法令に照らし合わせ見ていきましょう!

 

建築物の高さについて

建築基準法施行令第2条第1項第6号

「地盤面からの高さによる。」

と記載されています。

 

では、地盤面とはいったいなんなんでしょう

 

地盤面とは

建築基準法施行令第2条第2項

「建築物が周囲の地面と接する平均の高さにおける水平面をいい、その接する高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。」

と記載されています。

 

高低差3m、平均…

なので、上の図のような平均地盤面という言葉が出てきます

 

ただ、注意すべきなのは1つの敷地に1つの棟しかない場合は地盤面=平均地盤面になりますが、1敷地に複数の棟が有る場合は地盤面と平均地盤面とでは違ってきます

なぜこんな考え方なのかと言うと、もともと、平均地盤面という言葉は日影規制にのみ使用されるもので、建築物の高さの算定の基準となる水平面のことはあくまで「地盤面」と言います。

 

 

では、実際に高さの考え方の方に移っていきましょう

 

注意する点は以下の3つです

 

①むね飾り、防火壁の屋上突出部などは高さに算入しない

 

②階段室、昇降機、物見塔、などこれらの屋上部分(通称ペントハウス)の水平投影面積の合計が、その建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては12mまでは高さに算入しない。

※②に関しては低層居住専門地域は5mまでや、避雷設備など別途規定があります

 

③道路の幅員による斜線制限(ビルを斜めに削ったような形のもの見たことありますよね!)の高さは前面道路の中心点からの高さで制限がかかってきます。

前面道路が低い時と高い時でまた、制限が変わります。

 

 

ざっと3つ挙げましたが、なかなかに厄介ですよね

 

 

なにげなーく高さ何mの建築物が完成しましたとニュースなどで見聞きしていますがその背景には奥深いものがありますね

 

建築物の高さ②では、階数の計算方法についてやっていこうと思います!