現役消防士~目指せ文武両道

根拠は命、仕事の原点。

防爆構造

  おはようございます、白髪ゴリです

今回は製造所など危険物施設における電気設備について書いていこうと思います。

 

消防以外にも電気設備のなかで「防爆構造」って聞いたことがある人もいるかと思います

私の周りにも

「危険物施設の電気設備は防爆構造にしなくてはならない!」

「電気を通電した時に危険物の引火性ガスに引火しないように・・・」

なんてよく聞きます

 

f:id:siragagori:20180122134130p:plain

このように危険物の蓋をあけっぱなしにしているだけで、危険物が気化し引火する可能性が十分に考えられます

 

 

では、実際にはどのような法で、どのような範囲が規制されるのか、見ていきましょう!

 

まず、消防法の中には

政令第9条第1項第17号により「電気工作物に係る法令によること。」

と規定され

 

電気事業法に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令第207条、及び第209条及び第211条が適用されます。

 

では、詳しく見ていきましょう

 

1番重要なものとして可燃性ガス等の適用範囲があります

防爆構造としなければならないものとして

 

①引火点が40度未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合

②引火点が40度以上の危険物であっても、その可燃性液体を当該引火点以上の状態で貯蔵し、又は取り扱う場合

③可燃性微粉が発生し、又は滞留するおそれのある場所

 

この3点があります

 

また、この規定には、電圧30V未満の電気設備であって、電圧30V以上の電気設備と電気的に接続されていないものについては適用しません

 

次に、危険物製造所等において

爆発又は燃焼をするのに必要な量の可燃性ガスが空気と混在し、危険雰囲気を生成するおそれのある危険場所は、危険雰囲気の存在する時間と頻度に応じて程度が異なるため、危険場所を「0種場所」「1種場所」「2種場所」の3種類に区分しています。

 

 

①0種場所

 

通常の状態において、連続して危険雰囲気を生成し、又は長時間危険雰囲気が存在する場所であって、おおむね次のような場所をいう。

⑴可燃性蒸気等の発生する危険物を取り扱う設備(タンクを含む)の内面及び上部空間

⑵可燃性蒸気等の発生する塗料等の塗布用オーブンバット付近

 

 

まとめると 
危険性料品の容器またはタンクなどの内部及び開放容器の液面付近 などが考えられる

 

②1種場所

 

⑴可燃性ガスが通常の使用状態において集積して危険となるおそれのある場所

 ア:移動貯蔵タンク、貨車又はドラム缶の充てん開口部付近

 イ:安全弁の開口部付近

 ウ:タンク類の通気管の開口部付近

 エ:製品の取り出し、蓋の開閉動作のある場所

 オ:可燃性蒸気等が発生するおそれのある場所で、貯留設備又はピット類のようにガスが滞留するところ

 

⑵修繕・保守又は漏洩などのため、しばしば可燃性ガスが集積して危険となる恐れのある場所

 ア:危険物を貯蔵し、又は取り扱う設備、機械器具又は容器等を製造所等内で修理する場所

 イ:給油取扱所のピット部分

 ウ:機械装置なとの破壊又は作業工程における誤操作の結果、危険な濃度の可燃性ガスを放出し、同時に電気機器にも故障を生じるおそれのある場所

 

まとめると

(1)爆発性ガスが通常の状態において、集積して危険な濃度となるおそれがある場所
 
(2)修繕、保守または漏えいなどのため、しばしば爆発性ガスが集積して危険な濃度と    なるおそれがある場所。

 

 

③2種場所

⑴可燃性ガス、又は引火性液体を常時取り扱っているが、それらは密閉した容器又は設備内に封じてあり、その容器又は設備が事故のため破壊した場合、又は操作を誤った場合にのみそれらが流出して危険な濃度となる恐れがある場合

 

⑵確実な機械的換気装置により、可燃性ガスが集積しないようにしてあるが、換気装置に故障を生じた場合には、可燃性ガスが集積して危険な濃度となるおそれのある場所

 

⑶1種場所の周辺又は隣接する室内で、危険な濃度の可燃性ガスが侵入するおそれのある場所

 

⑷引火点40度以上の危険物を加熱し、その引火点を超える温度で貯蔵又は取り扱う場所(ボイラー等)

 

 

このように、場所によっても気化した際の規制などが変わってくるんですね。

 

「危険物がある場所はすべて防爆構造にしなきゃいけない!」

と私も昔から先輩に言われてきましたが、例外や区分があるんですね

 

しっかりと法令と照らし合わせて指導しないと

大変なことになってからじゃ遅いですね!