道路の用に供される部分等
どうも、白髪ゴリです。
今回は道路の用に供する部分等についていこうと思います。
この言葉だけ見たらなんとなく「道路として使われている部分ね。」なんて思うかと思いますがさらに詳しく詳しくいきましょう!
消防法の中で「道路の用に供する部分等」の定義されてある場所は・・・
消防法施行令第13条(水噴霧消火設備等を設置すべき防火対象物)
の表の中に明記されていますね。
防火対象物又はその部分
別表第一に揚げる防火対象物の道路(車両の交通の用に供されるものであつて総務省例で定めるものに限る。以下同じ。)の用に供される部分で、床面積が、屋上部分にあつては600平方メートル以上、それ以外の部分にあつては400平方メートル以上のもの
消火設備
水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備又は粉末消火設備
「道路の用に供する部分に」掛かってくる言葉は「防火対象物」ですね。
それでは、施行令第13条の参照部分を見てみると【総務省例で定める道路】消防法施行規則第31条の8と書かれています。
では、消防法の中の防火対象物の道路の用に供される部分とは具体的にどのような場所でしょうか。
具体的には、例えば4項等といった百貨店類内の販売階以外の上下階段によく見られる駐車場や車が通過する部分等のことですね。
すごく簡単にイメージするなら防火対象物で規則31条の8第1号から3号に規定されるもの以外で、自動車の通行が可能なもの(交通の用に供される道路)と考えればイメージしやすいと思います!
道交法、道路運送法、「道路」なんて身近なものですが条文まで見る機会がはなかなかないですよね。
単語の定義だけでもチェックしていきましょう!
ちなみに、防火対象物の道路の用に供される部分に係る基準の特例は消防法施行規則第33条に書かれているので同じくチェックしておきましょう!
消防法第9条の3の届出
こんばんは、白髪ゴリです。
今回は消防法第9条の3の届出について、書こうかと思います。
みなさんの所にも圧縮アセチレンガス等の届出が来るかと思います。ただ、届出は消防法を根拠としたものだけではなく、ある一定の量を超えると液石法等別の根拠となる場合もあります。
では、いきましょう!
消防法第9条の3(圧縮アセチレンガス等の貯蔵・取扱いの届出)
圧縮アセチレンガス・液化石油ガスその他の火災予防又は消火活動に、・・・~あらかじめ、その旨を所轄消防長又は、消防署長に届け出なくてはならない。ただし、船舶、自動車、航空機、鉄道又は軌道により貯蔵し、又は取り扱う場合その他政令で定める場合は、この限りではない。
「ただし書き」といわれる部分ですね。
では、政令で定める場合とは何のことでしょう。
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危政令第1条の10第2項(届出を要する物質の指定)
法第9条の3第1項ただし書きの政令で定める場合は、高圧ガス保安法第74条第1項、ガス事業法第47条の5第1項又は、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第87条第1項の規定により、消防庁長官又は、消防長に通報があった施設において、液化石油ガスを貯蔵し、又は、取り扱う場合とする。
今回は液石法についてのみ、書きます。
危政令1条の10第2項をパッと見ただけでも、たくさんの他関係法令が出てきていますね。ガス関係の条文が書いてある図書を一冊持っているだけでも、理解がだいぶ違うと思います。
液石法第87条第1項(関係行政機関への通報)
経済産業大臣又は都道府県知事は、第3条第1項(事業の登録)の登録をし、第36条第1項(貯蔵施設等の設置の許可)、第37条の2台1項(変更の許可)若しくは第37条の4第1項(充填設備の許可)の許可をし、第6条(登録行政庁の変更の場合における届出等)第8条(販売所等の変更の届出)、第23条(廃止の届出)、第37条の2第2項(変更の許可)若しくは第38条の3(液化石油ガス設備工事の届出)の規定による届出若しくは、第10条第3項(承継)を受理し、第25条(登録の取り消し等)若しくは、第26条(登録の取り消し等)の規定により登録の取り消しをし、第37条の7第1項(許可の取り消し等)の規定により許可の取り消しをしたときは、政令で定めるところにより、その旨を都道府県知事、国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会又は、消防庁長官若しくは、消防長に通報しなければならない。
ヒジョーーーーに難しいですね。※括弧内の赤文字は白髪ゴリが打ったものです。
この赤文字の各条文を各届出の目的に沿ってチェックし、貯蔵能力等を判断して事務処理をする・・・。
この全てを書くことは難しいので今回は、届出の中でも多い、第38条の3(液化石油ガス設備工事の届出)についていきます!
液石法第38条の3(液化石油ガス設備工事の届出)
学校、病院、興行場その他の多数の者が出入りする施設又は多数の者が居住する建築物であつて、経済産業省令で定めるものに関わる液化石油ガス設備工事(経済産業省令で定めるものに限る。)をした者は、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を当該施設又は建築物の所在地を管轄する都道府県知事に届出なければならない。
んー、まだちょっと分かりづらいですよね。液石法第87条と後半部分は少し似ているところがありますが「その旨を当該施設又は建築物の所在地を管轄する都道府県知事に届出なければならない。」
所在地を管轄する場所に届出なければならないと明記されていますね。
じゃあ、実際に貯蔵能力がどれほどのものでこの届出が該当するんでしょうか。
危政令1条の10第1項第3号(届出を要する物質の指定)では、液化石油ガスの届出は300kg以上の数量と定められています。
それをふまえ液石法を読み解いてみると・・・。
液石法施行規則第87条(液化石油ガス設備工事)
法第38条の3の経済産業省令で定める液化石油ガス設備工事は、特定供給設備以外の供給設備(当該供給設備に係る貯蔵設備の貯蔵能力が500kgを超えるものに限る。)の設置の工事又は変更の工事であって次の各号の一に該当するものとする。
一 供給管の延長を伴う工事。
二 貯蔵設備の一の変更又はその貯蔵能力の増加を伴う工事
液石法施行規則第88条(工事の届出)
法第38条の3の規定により、液化石油ガス設備工事の届出をしようとする者は、様式第48による届出を当該工事に係る施設又は建築物の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなくてはならない。
やっと貯蔵能力の基準と様式が出てきました。これで、届出の根拠が分かりましたね!
・法9条の3→危政令1条の10→液石法第87条第1項→液石法第38条の3→液石法施行規則第87条→液石法施行規則第88条
なかなか読み込まないと難しいです。
ちなみに、消防法では300kgを超えるものを規制していますが、基本的に、液石法又は高圧ガス保安法の許可届出をする場合は消防法の届出は不要となります。
高層建築物31mの基準
こんにちは、白髪ゴリです。
消防職員なら、「高層建築物」と聞いて連想するワードの1つで「31m」という言葉があるかと思います。
それでは、「31m」という数字の根拠はどこから来ているんでしょうか。
なぜ、30mではなく31mなのか・・・・。
みなさん、m=メートル、尺=しゃく、一間=いっけん など職務上多くの単位と関わることがあるかと思います。高層建築物の31mというのはこの単位がヒントとなってきます。
今、上に挙げた単位も日本のものと外国の単位が有りますが、日本と外国の単位で違ってはいても実際の長さが一致するものがあるのを知っていますか?
建築基準法の前身である市街地建築物法の話になりますが、その時代、建築物の高さを100尺としたことが事の始まりです。
この100尺とした経緯も、ロンドンで高さ100フィートを建築物の限度としたのをマネたものらしいです。偶然にも1尺=1フィート=30cm3mmと一致したのでマネしやすかったのでしょう。
これを100尺に直すと30m30cmとなります。だが、これを端数切捨てで30mとしてしまうと、市街地建築物法で規制していた100尺に既存不適格となってしまいます。
そのため、切り上げて31mという数字が生まれたとのことです。
そう考えれば、はしご車も31m級と言うのが多いですよね。
はしご車が先か、建築物の規制が先かと言われたら、建築物の規制があり、31mという基準ができたからはしご車も31m級ができたと考えるのが妥当かと思います。
普段何気なく見ている数字にも根拠や経緯がありますね。
漏電火災警報器
どうも、白髪ゴリです。
今回は漏電火災警報器についてちょっと書いてみようかと思います。
みなさん、漏電火災警報器と言ったら真っ先に思い浮かぶのは「ラスモルタル」という言葉かな、と思います。
詳しくは、施行令22条に記載されていますが、今回はその中でも施行令22条第1項第7号の『契約電流容量』についてです。
ちなみに、第7号はこんな条文です。
七 前各号に揚げる建築物で、当該建築物一㈠項から㈥項まで、₍十五₎項及び₍十六₎項に揚げる建築物で、当該建築物における契約電流容量(同一建築物で契約種別の異なる電気が供給されているものにあつては、そのうちの最大契約電流容量)が50アンペアを超えるもの。
契約電流、一軒家をお持ちの方にはなじみのある言葉かもしれませんが、まだ若い方や賃貸の方にはあまりなじみがないかも知れません。
契約電流容量とは、電力会社との契約によって使用可能な容量(kVA)の最大値を指します。一般家庭の場合は、契約できる容量は10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aのいずれかにほぼ該当するみたいですね。
しかし、立ち入り検査の際、事前に相手とアポ取や打ち合わせで、契約電流を確認できればいいですが、現地で調査しなくてはならない時もあるはずです。
その時、見るポイントがブレーカーの色です。
ブレーカーの色は、10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aに分かれており
東京電力パワーグリッドでは、10Aから順に、赤→桃→黄→緑→灰→茶→紫
北海道電力も順に、黒→黄→青→赤(スイッチノブ色)、灰→茶→紫(ブレーカー本体色)
東北電力も順に、白→白→白→青(銘板の色)、赤→紫→緑(ブレーカー本体色)
中部電力も順に、赤→茶→黄→緑(スイッチノブ色)、青→紫→灰(スイッチノブ・ブレーカー本体色両方)
九州電力でも順に、灰→赤→黄→緑→茶→青→白
北陸電力では、色分けはしていません。
少し見づらいですが、このようにアンペア値によって色分けされているので、現場でもすぐにアンペア数を確認することができます。
設備は法令が複雑ですが、こういう豆知識的なものは自宅でも確認できますし、面白いですね!
防火管理者・火元責任者・防火責任者
どうも白髪ゴリです。
みなさん、防火管理者はよく耳にしたことがあるかと思いますが、火元責任者や防火責任者はどうでしょうか?
なんとなく、事業所などで火元の責任を担っている人のことかな。防火管理者ほどではないけど、防火に関する責任を担っている人のことなのかな。
ぐらいの認識の方もいると思います。私も消防に入りたての時はそれぐらいの感じでした。
防火管理者は消防法第8条の解説によると、「防火に関する講習会の課程を終了した者等一定の資格を有し、かつ、防火対象物において防火上必要な業務を適切に遂行できる地位を有する者で、管理権限者から防火上の管理を行う者として選任された者をいう。」
とあります。
火元責任者という言葉の解説は見つけられなかったですが、消防法施行令第3条の2第4項で「防火管理者は、消防の用に供する設備、消防用水若しくは消火活動上必要な施設の点検及び整備又は下記の使用若しくは取扱いに関する監督を行うときは、火元責任者その他の防火管理の業務に従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない。」
とありました。防火管理者から指示を受け防火に努める人という認識ですね。
最後に、防火責任者とはなんでしょうか。
防火責任者は、消防法の中には直接明記されていませんが、『消防基本六法』の「消防法の一部を改正する法律等の施行について」で記されていました。
第一 防火管理者に関する事項(法第8条)
1 従前の防火責任者の名称を防火管理者と改めたこと。これは防火管理者の権限が拡充強化されたことに伴い、防火に関し管理的な地位にある者が選任されるという趣旨に基づくものであるから、防火管理者がこの趣旨に則つて選任されるよう指導し趣旨の徹底に努めること。
防火責任者という言葉は、今の防火管理者という言葉ができる前に消防法第8条で使われていた言葉なんですね。
法律等がどんどん変わっていっても、従前の言葉や、やり方などは各消防本部でも、まだ使ったり残ったりしていますよね。
ただの昔の言葉。だけでなく、意味合いや、変わった経緯など話せたらとても素敵だと思います。