現役消防士~目指せ文武両道

根拠は命、仕事の原点。

屋内消火栓設備

 

 おはようございます、白髪ゴリです

みなさん、消防の機器と言ったらどのようなものを思いつくでしょうか

消火器・火災警報器・スプリンクラー・・・

いろいろあるかと思いますが、今回は屋内消火栓設備について書いていこうかと思います!

 

まず、屋内消火栓設備というのは、火災の初期や中期まで及んだ場合の消火を主な目的とするものです

 

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 みなさん、一度は職場やお店の中で見たことがありますよね

普段はこの画像の外観しか見たことがないかもしれませんが、屋内消火栓設備など消防の設備というのは非常に多くの機器から構成されています 

 

水を貯めておく水源から始まり、水を送りだす加圧送水装置、ポンプを起動させる起動装置、画像にある屋内消火栓箱、消火栓箱の中にある消火栓開閉弁ホースノズル(筒先)非常電源等によって構成されています。

 

ホースやノズルなどは消防をイメージしていただければわかるかと思いますがほぼ似たようなものがこの消火栓箱の中に入っています。

 

 

屋内消火栓には、放水性能や操作方法の違いによって

・1号消火栓(消防法施行令第11条第3項第1号)

 

・易操作性1号消火栓(施行令第11条第3項第1号の特例)

 

・2号消火栓(政令第11条第3項第2号イ)

 

・広範囲型2号消火栓(政令第11条第3項第2号ロ)

に区分されています

 

 

使い方は

1号消火栓の場合は「強く押す」のボタンを押して、扉を開けて中のホースを延長し、バルブを開放して放水するという2人操作になっています

 

2号消火栓の場合はバルブを開放することでポンプが起動するので、そのままホースを伸ばしノズルを操作し、放水するという1人でもできるものとなっています

 

 

この屋内消火栓は画像でもわかるように

「この消火栓はひとりで操作ができます」

とステッカーが貼ってあります

 

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では、1人で操作することができる屋内消火栓設備とはなんなのか見ていきます

 

消防法施行規則第11条の2(1人で操作することができる屋内消火栓設備の基準)

 

施行令第11条第3項第2号イ(3)及びロ(3)総務省令で定める基準は、次のとおりとする。

1 消防用ホースの技術上の規格を定める省令第2条第3号に規定する保形ホースであること。

2 延長及び格納の操作が容易にできるものとして消防庁長官が定める基準に適合するように収納されていること。

 

つまり

・2号消火栓(政令第11条第3項第2号イ)

・広範囲型2号消火栓(政令第11条第3項第2号ロ)

のことを言っています

 

ただ

・易操作性1号消火栓も、1人操作が可能な消火栓でもあります。

 

この画像だけでは、この3つに絞れるまででそれ以上のことはちょっと分からないですね。

 

ただ、この画像が白髪ゴリが某旅館で撮ったものという事も含めれば、、、

2号消火栓又は、広範囲型2号消火栓のどちらかと絞ることができます

 

これについては

旅館、ホテル、社会福祉施設、病院等の就寝施設にあっては、夜間等において初期の消火対応が有効に図れるよう2号消火栓又は広範囲型2号消火栓の設置が望ましいと決まっています。

 

 

さらに、くわしーく見ていくと

2号消火栓と広範囲型2号消火栓の違いは

ホースの長さが水平距離15mと25mとの差があったり

水源の水量が屋内消火栓の設置個数が最も多い階における当該設置個数に1.2立法メートルを乗じて得た量以上とするのか、1,6立法メートルを乗じて得た量以上とするのかと少しマニアックになってきます

 

とりあえず、1人で操作できる点には変わらないですが、広範囲型2号消火栓の方が高性能という事ですね!

 

設備は本当に奥が深くて

上の画像1枚だけでもいくつもの規制によってつくられています

赤色灯の明るさや容易に識別できる範囲、消火用散水栓の文字・・・

 

技術と規制の塊みたいなものですね!!

 

 

ちなみに、消火栓は壁だけでなく天井に設置されている例もあります

 

このような設備は建物の関係者が使えるのは当たり前ですが

そこに居合わせたみなさんも使ってよいものです

まして、1人で使えるなら

目の前に火災が起きている状況ではぜひ使ってください