現役消防士~目指せ文武両道

根拠は命、仕事の原点。

自衛消防訓練(避難訓練)Part1

 

 どうも、白髪ゴリです

 

 みなさんも、おそらく1度は学校などで避難訓練をしたことがあるかと思います

実はあれって、消防法の中で定められている『自衛消防訓練』というものなんですよね

 

子供のころは言われたままにやっていたかと思いますが

消防法の根拠を元に見ていきましょう!

 

自衛消防訓練については、消防法第8条〔防火管理者〕に定められています。

 

消防法第8条 

 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

 

消防法を勉強していく中で1、2を争うほど超重要な条文です。

 

要約すると

防火管理者を定めなければならない防火対象物の管理について権限を有する者は

防火管理者に消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、など防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

 

とあります。

 

防火管理者に選任された者が主体となり、防火上必要な業務を行わなければならない。

その中で定められているものとして『自衛消防訓練(避難訓練)』があります

 

なぜ、自衛消防訓練=避難訓練でないのかというと

防火管理者が作成するものの中に、消防計画というその防火対象物をどのように『自分たちで護るか』を記載した書類があります。

※すごく簡単に自分たちで護るといいましたが、ちゃんと記載するべき項目というのは決まっています。

 

 

その消防計画の中には、避難訓練以外にも消火訓練や通報訓練なども含まれているので、単純な避難訓練という枠には収まらないという事です。

 

 

ここで、1つ考えてほしいのですが小学校や中学校の時にこういう経験はありませんか?

 

校庭などに避難訓練を終えて集合した後、校長先生の話の中に

『みなさんが、校庭に集まるまで〇〇分かかり、おしゃべりが非常に多かったです。もっとみんな1人1人がしっかりと考えて迅速に行動してください。』

 

などと言われたことは。。。。

 

 

しかし、消防法第8条をよくよく見てみると

自衛消防訓練を行う義務があるのは、建物の管理について権原を有する者が定めた防火管理者であって、実際に避難している生徒ではないんですよね。

 

つまり・・・

主体となって行うべき人は消防計画に定められた、消火・通報・避難誘導を行う人であり、実際に避難する人ではないわけです。

 

 

考えてみてください

大きなスーパー等で火災が起きたときに、買い物客などに対してあなた方がおしゃべしていたから、迷っていたから、逃げ遅れてしまいました。

なんて間違っても言えないですよね。

 

お客さんを避難誘導する責任があるのはその建物の防火管理者および職員です。

 

 

確かに学生など若いうちから防火に対する意識をつけるのに、自主的に行動するよう指示するのは間違いではないですが、本来の責務は職員等、大人にあること勘違いしている人と言うのは非常に多いです。

 

生徒方がうまく避難することができないのは大人たちの指示が悪いから、とまで言っても過言ではありません。

 

私も、幼稚園から大学まで多くの自衛消防訓練を見てきましたが

自衛消防訓練の意味をはっきりと理解して行っている場所というのは残念ながら多くはありませんでした。

 

中には、自衛消防訓練の後の講評で、先生方に対する避難誘導のさせ方などの話をすると不満気になったり、怒り出す先生という場所もありました・・・。

 

打ち合わせの段階でうまく説明するためにも、根拠だけではなく『なぜあなた方に責任があるのか』をイメージしやすく、分かりやすく伝えれるようにまだまだ精進していこうと思います。

 

実際にどのような訓練を年に何回以上行わなくてはならないのかなどはPart2で書いていこうと思います。