現役消防士~目指せ文武両道

根拠は命、仕事の原点。

火気使用設備・器具~暖炉~

 おはようございます、白髪ゴリです

この前旅行に行ったとき、たまたま暖炉がある部屋でした

暖炉っていいですよね、風情があって、火の匂いや、揺らめきを見ていると落ち着きますよね

 

でも、実際に暖炉を持っているご家庭というのはなかなかないかと思います

まして、南の方の温暖な地域の方は暖炉自体見たことがない方もいるのではないでしょうか

 

では、暖炉には火災予防という点でどのような規制がかかったり、法令が関連しているのか。

 

見ていきましょう!!

 

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暖炉についての規制は消防法ではなく火災予防条例なります

 

火災予防条例に関して、日本は北から南まで気候や風土が様々なので、大きな『火災予防条例(例)』という物をお手本として各市町村ごとに火災予防条例を制定するものとなっています

 

今回は火災予防条例(例)に沿って見ていこうと思います

 

まず、暖炉に関しては「壁付暖炉」として火災予防条例の第6条になります

 

定義・範囲として

 壁付暖炉は居間などの暖房のために、壁に組み込み又は壁と一体となって構造されたものをいい、装飾用のもの又は、壁面等の凹部に移動式ストーブ等を入れて利用するものは壁付暖炉に含まれないとあります。

 

移動式ストーブは移動式ストーブで別に、火を使用する器具の規制を受けるものです。

 

 

暖炉など、壁と一体型のものは火災予防条例の他にも建築基準法等他の関係法令にもかなり関わってきます

今回は全部を見れないですが、条文だけでも書いていこうかと思います

 

設置基準について

建築基準法施行令第57条第5項に壁付暖炉の炉胸(シャフトのことです)の構造が規制されています

 

建基法施行令第57条第5項

壁付暖炉の組積造の炉胸は、暖炉及び煙突を充分に支持するに足りる基礎の上に造りかつ、上部を積出しとしない構造とし、木造の建築物に設ける場合においては、更に鋼材で補強しなければならない。

 

 

 

煙突の構造についての規制は建基令第115条第1項第4号で規制されています

 

第1項第4号

壁付暖炉のれんが造、石造又はコンクリートブロック造の煙突(屋内にある部分に限る。)には、その内部に陶管の煙道を差し込み、又はセメントモルタルを塗ること。

 

 

では、火災予防条例の方はどうような規制がなされているのか、見ていきましょう。

 

(壁付暖炉)
第六条 壁付暖炉並びにこれに附属する煙突及び煙道の屋内部分の構造は、次の各号に掲げる基準によらなければならない。

 

一 厚さ十五センチメートル以上の鉄筋コンクリート造又は厚さ二十五センチメートル以上の無筋コンクリート造、れんが造、石造若しくはコンクリートブロック造とし、かつ、隠ぺいされた部分の周囲に適当な間隔を設けて点検できる構造(これらに接する周囲の部分が特定不燃材料で造つた耐火構造(建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)である場合を除く。)とすること。

  

二 前号の煙突及び煙道が、れんが造、石造若しくはコンクリートブロック造である場合は、内部に陶管を差し込み、又はセメントモルタルを塗ること。

   

2 前項に規定するもののほか、壁付暖炉の位置、構造及び管理の基準については、第三条(第一項第一号、第七号から第十号まで及び第十二号の二並びに第二項を除く。)の規定を準用する。

 
 
なるほどですね、1項の1号と2号で不燃材料で作った耐火構造とすること、などと書いてありますね
2項の方では、火災予防条例第3条の炉の規定の準用について書いてありますね
 
 
3条の炉は激しく長いのでここでは割愛させてもらいます
が、いつか3条の炉もがっちりとできたらと思います
 
 
基本的には暖炉は他の火気使用設備と比べて火の元と壁との距離が近いものです
なので、しっかりと離隔距離や不燃材料などを使わないと火災に至る危険性が大きくなります
 
実際に私がみた資料では平成11年に壁付暖炉から出火したという事例も見つかりました
 
でも、家に暖炉なんてあったら、とても素敵ですよね
あこがれます・・・。