消防用設備等Part1
どうも、白髪ゴリです
久しく更新途絶えましたがまた徒然と書いていきたいと思います
今回からの数回は消防用設備等についてさらっとですが書いていこうと思います
まずは、消防法の中で消防用設備等はなんぞや、どういうものがあるのかについていきます!
「言われてみれば」、「え、そんな物も消防の設備なの?」と言ったものが出てくると思います
消防用設備等は莫大な量があるので掻い摘んで書いていきますー
まずは、いつも通り根拠から・・・
防炎物品
どうも、白髪ゴリです
激務と体調不良で少し更新が途絶えました
また、元気にやっていこうと思います
今回はタイトルの防炎物品についてさらっと書いていこうかと思います。
みなさんも『防炎』と書いてあるラベル見たことがありますか?
(いつか写真追加する予定です)
防炎性能は、非防炎性能のものと比べると格段に差が出ます
お金さえあれば用心のために自宅でも使いたいぐらいです。
「防炎」似たような言葉で「不燃」という物もありますが、こちらは「燃えない」のではなく、「燃え抜けない」という性能になります。
建築基準法第2条第9号に詳しく書いてあります
一方、防炎性能は、消防法第8条の3の解説より、「炎に接しても燃えがたい一定の性能」の意味です。
では、実際にどのような建物に防炎物品を付けなければならないのか見ていきましょう
根拠は消防法第8条の3〔防炎対象物品の防炎性能〕
1項~5項まで書いてありますが
要点をかいつまんでまとめていくと・・・
①高層建築物:以前白髪ゴリのブログでも取り上げましたが高さが31m以上の建築物ですね
②地下街
③不特定多数の人が出入りする防火対象物
例を挙げると
劇場・映画館・キャバレー・ダンスホール・カラオケボックス・飲食店・百貨店・旅館・ホテル・病院・公衆浴場のうち、蒸気浴場・映画スタジオ・テレビスタジオ・建築物の地階などなどたくさんあります
④工事中の建築物その他の工作物
みなさん、なんとなーくですが、人がたくさん集まったり、逃げずらい場所に必要なんだとイメージしてみてください。
では、実際に何を防炎物品にしなくてはならないのか
防炎対象物品として
カーテン・布製ブラインド・暗幕・じゅうたん・展示用合板・どん帳・工事用シートなんかが挙げられます
これからみなさんも旅館や映画館に行ったときにカーテンやじゅうたんを見てみてください
必ず『防炎』のプレートが貼られているはずです
貼られていなかったら、消防法令違反かも・・・?
私たち消防もそのような建物に立ち入り検査に行った際に「防炎」のプレートが確認できない場合があります
関係者は防炎物品だと言っていますが、こちら側が確認できない
そんな状態では、購入した明細を見してもらったり、同一の商品の説明書を見してもらったり、また、クリーニング屋で防炎加工をしてもらうなんてこともあります
上に揚げた①~④の建物は一度火が付くと物も多くあっという間に燃え広がってしまいます
そのようなときに防炎物品というのは多大な効果が発揮させられます
いざと言う時のためにも皆さんのおうちのカーテンも防炎加工や防炎物品を使うことをお勧めします
管理について権限を有するもの③
どうも、白髪ゴリです
Part1とPart2に続き、今回も
消 防 予 第 5 2 号 平成24年2月14日
各都道府県消防防災主管部長 殿 東京消防庁・各政令指定都市消防長 殿
消防庁予防課長 (公印省略)
防火対象物等の「管理について権原を有する者」について
の続きを書いていこうと思います
消防において非常に重要な「管理権限者」の考え方や、不動産、又経営関係も非常に幅広く含まれていて、いろいろなことが勉強できます
今回はその中でも
形態が不動産証券化の場合について書いていこうと思います
表:管理権限者の代表的な例では
管理権限者が
①共有部分:信託銀行、特定目的会社(投資法人)、アセットマネージャ―(不動産経営)等※管理・運営状況等で判断
②専有部分:信託銀行等との賃貸借契約により入居している事業主
となっています。
これだけでは非常に分かりづらいですし、馴染みのない言葉がたくさんあるので下の本を参考に見ていきたいと思います
そもそも、不動産証券化とは
『ある不動産の所有者が、その不動産を証券化のために設立した特別な会社等に移し、その特別な会社等が当該不動産を裏付けとした資金調達を行うこと』
図解 不動産証券化のすべて P2より
とあります
全部を説明は難しいので、背景やメリット・デメリットなどをかいつまんで、簡潔に書いていこうと思います
不動産投資はバブル期はいくらでも、リスクが少なく行うことができましたが
バブル崩壊以降は不動産投資も一定のリスクを認識したうえで行うことになりました
不動産証券化商品ができるまでは、不動産に投資をしたい場合には、実物の不動産への投資を行うか、一部の不動産会社等で販売している不動産小口化商品を購入するしか方法はありませんでした。
しかし、それには多額のお金やリスクもかかります
そこで、不動産証券化の登場により、ハイリスク・ハイリターンを希望する投資家は大きな投資を、ローリスク・ローリターンを希望する投資家は小さな投資を行えるようになるなど、1つの物件への投資でいくつかのリスク・リターンの異なる投資商品を作ることができるようになりました
今までの不動産証券化以前では管理権限者は、不動産の所有者(投資家)などでしたが
証券化した場合、商品なので(所有者)というのは複数になってきます
その不動産に対して、消防から所有者(管理権限者)へ不備があった場合指導するのが、複数だと非常に難しくなります
なので、『管理について権限を有する者』の定められた判定として
不動産証券化の場合の管理権限者は、信託銀行や特定目的会社、アセットマネージャ―などが挙げられます
そりゃそうですよね、海外にいるかもしれない投資家1人1人に不備事項を交付するなんて現実的なことではないですよね
不動産証券化など、不動産関係は非常に奥が深いです
少し、消防の実務とは離れることかもしれませんが知識として覚えておきたいですね
次は、不動産証券化で出てきた管理権限者(アセットマネージャ―や特定目的会社など)について書いていこうと思います
消防の1日の流れ
どうも、白髪ゴリです
本日二度目の投稿で、法令とは全く関係ないですが私の職場のある日の流れを書いてみようかと思います
同じ消防でも場所によってかなり違うかなと思います
これから消防に入る方など参考にしてくれれば嬉しいです
※あくまでこれは私の1日の例です!!!
8時:出署
8時~8時50分:1日のスケジュールの確認や、資料の準備、前日(反対番)や休んでいた日(週休等)のメールのチェック、今日の業務の簡単な打ち合わせ等
8時50分~9時:車庫へ降りて車両及び資機材の点検
9時~9時10分:隊員全員で今日の業務の確認や引継ぎ
9時10分~10時:食堂で隊員全員分の昼食の準備(たいていは乾麺)
蕎麦たれや、トッピングなどを猛スピードで作ります
10時~11時:今時期ですと、消火栓除雪や管内の地水利調査
もちろん時間があれば訓練もやります
11時~12時:午前中の業務のまとめ、業務日誌を書いたり、午後から自分が担当している業務の確認
12時15分~13時:昼食休憩、食堂の後片付けや午後からの業務の準備
13時~14時:防火対象物へ査察等
14時~16時:3連はしご取扱い訓練、放水訓練等
16時~17時20分:査察の事務処理や日誌等事務処理、夕飯の準備
17時20~18時5分:点呼、事務仕事、夕食休憩
18時5分:無線の試験
18時10分~20時:事務仕事
20時:夕飯
20時30分~23時:事務仕事や各個訓練など
⬇️仮眠時間
23時~:先輩が寝始めるので自分の勉強や溜まっている仕事
翌2時~6時:就寝
6時~7時:朝の無線の試験、朝ごはん、掃除
7時~8時:車両の点検や事務処理
8時~8時50分:事務処理や反対番への引継ぎ
8時50分:交代し、退署
1日の流れをざっと書いてみましたがだいたいこんな流れですね!
夕飯食べるまでは電話もたくさん掛かってきますし、いろいろとわちゃわちゃしていて自分の時間はほぼないですが
夜、担当している業務さえ終わればそこから自分の勉強時間なんて流れです
日本全国、夜の通信勤務があったり変わっているとは思いますが
こんな感じが実際の白髪ゴリの1日です
日々忙しいですが、その分たくさんの勉強できますし、まだまだ頑張ります!
防爆構造
おはようございます、白髪ゴリです
今回は製造所など危険物施設における電気設備について書いていこうと思います。
消防以外にも電気設備のなかで「防爆構造」って聞いたことがある人もいるかと思います
私の周りにも
「危険物施設の電気設備は防爆構造にしなくてはならない!」
「電気を通電した時に危険物の引火性ガスに引火しないように・・・」
なんてよく聞きます
このように危険物の蓋をあけっぱなしにしているだけで、危険物が気化し引火する可能性が十分に考えられます
では、実際にはどのような法で、どのような範囲が規制されるのか、見ていきましょう!
まず、消防法の中には
危政令第9条第1項第17号により「電気工作物に係る法令によること。」
と規定され
電気事業法に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令第207条、及び第209条及び第211条が適用されます。
では、詳しく見ていきましょう
1番重要なものとして可燃性ガス等の適用範囲があります
防爆構造としなければならないものとして
①引火点が40度未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合
②引火点が40度以上の危険物であっても、その可燃性液体を当該引火点以上の状態で貯蔵し、又は取り扱う場合
③可燃性微粉が発生し、又は滞留するおそれのある場所
この3点があります
また、この規定には、電圧30V未満の電気設備であって、電圧30V以上の電気設備と電気的に接続されていないものについては適用しません
次に、危険物製造所等において
爆発又は燃焼をするのに必要な量の可燃性ガスが空気と混在し、危険雰囲気を生成するおそれのある危険場所は、危険雰囲気の存在する時間と頻度に応じて程度が異なるため、危険場所を「0種場所」「1種場所」「2種場所」の3種類に区分しています。
①0種場所
通常の状態において、連続して危険雰囲気を生成し、又は長時間危険雰囲気が存在する場所であって、おおむね次のような場所をいう。
⑴可燃性蒸気等の発生する危険物を取り扱う設備(タンクを含む)の内面及び上部空間
⑵可燃性蒸気等の発生する塗料等の塗布用オーブンバット付近
まとめると
危険性料品の容器またはタンクなどの内部及び開放容器の液面付近 などが考えられる
②1種場所
⑴可燃性ガスが通常の使用状態において集積して危険となるおそれのある場所
ア:移動貯蔵タンク、貨車又はドラム缶の充てん開口部付近
イ:安全弁の開口部付近
ウ:タンク類の通気管の開口部付近
エ:製品の取り出し、蓋の開閉動作のある場所
オ:可燃性蒸気等が発生するおそれのある場所で、貯留設備又はピット類のようにガスが滞留するところ
⑵修繕・保守又は漏洩などのため、しばしば可燃性ガスが集積して危険となる恐れのある場所
ア:危険物を貯蔵し、又は取り扱う設備、機械器具又は容器等を製造所等内で修理する場所
イ:給油取扱所のピット部分
ウ:機械装置なとの破壊又は作業工程における誤操作の結果、危険な濃度の可燃性ガスを放出し、同時に電気機器にも故障を生じるおそれのある場所
まとめると
(1)爆発性ガスが通常の状態において、集積して危険な濃度となるおそれがある場所
(2)修繕、保守または漏えいなどのため、しばしば爆発性ガスが集積して危険な濃度と なるおそれがある場所。
③2種場所
⑴可燃性ガス、又は引火性液体を常時取り扱っているが、それらは密閉した容器又は設備内に封じてあり、その容器又は設備が事故のため破壊した場合、又は操作を誤った場合にのみそれらが流出して危険な濃度となる恐れがある場合
⑵確実な機械的換気装置により、可燃性ガスが集積しないようにしてあるが、換気装置に故障を生じた場合には、可燃性ガスが集積して危険な濃度となるおそれのある場所
⑶1種場所の周辺又は隣接する室内で、危険な濃度の可燃性ガスが侵入するおそれのある場所
⑷引火点40度以上の危険物を加熱し、その引火点を超える温度で貯蔵又は取り扱う場所(ボイラー等)
このように、場所によっても気化した際の規制などが変わってくるんですね。
「危険物がある場所はすべて防爆構造にしなきゃいけない!」
と私も昔から先輩に言われてきましたが、例外や区分があるんですね
しっかりと法令と照らし合わせて指導しないと
大変なことになってからじゃ遅いですね!
消防用サイレンタイマー
おはようございます、白髪ゴリです
今回は消防用施設について書いていこうかと思います
みなさんも、消防署を見かけたとき、庁舎の上に赤いスピーカーのようなものを見たことがあるかもしれないです
昔は望楼(火災を見つけるための高台みたいなもの)や、警鐘台などが今のスピーカーの代わりに使われていたみたいですね
私の職場内にある消防用のサイレンタイマーはこんな感じです
では、いつも通り根拠から見ていきましょう!
消防法第18条(消防用施設の濫用禁止等)
①何人も、みだりに火災報知器、消火栓、消防の用に供する貯水施設又は消防の用に供する望楼若しくは警鐘台を使用し、損壊し、撤去し、又はその正当な使用を妨げてはならない。
②何人も、みだりに総務省令で定める消防信号又はこれに類似する信号を使用してはならない。
今回の消防用サイレンについては、消防法第18条の2項のことですね
ちなみに、消防法第18条には罰則規定があり
【みだりに望楼又は警鐘台を損壊し、又は撤去した者】懲役7年以下(消防38)
【公訴時効】5年(刑事訴訟法55・250.253)
と、決まっています。
消火栓など、私たちの身近にあるものですが、みだりに遊びで壊してしまうと罰則がかかってきます
では、さらに詳しくみていきましょう
消防法施行規則
第三十四条 消防法第18条の2の命令で定める消防信号は、火災信号、山林火災信号、火災警報信号及び演習招集信号とする。
電信柱と電柱
どうも、白髪ゴリです
私たちが普段何気なく見ている電信柱ですが、電柱とも言いますよね
では、「電信柱」、「電柱」なにか違いがあるのでしょうか
なんでそんな区別を考えなきゃいけないのかと思うかもしれませんが
消防も公務員ですし、報告書などでは正確な言葉遣いをしなければなりません
そして、何より、電信柱なんて消防とは関係無いと思いますが、案外繋がりはあります。
では、見ていきましょう!
電柱:電力会社が家庭や工場に電気を送るために道路上に設置されているもので、正式名称は『電力柱』といいます。
電信柱:NTTなどの通信会社が電話回線や光ケーブルを各家庭に届けるためのもので、『電信柱』がそのまま正式名
称です。
電力柱と電信柱をしっかりと見分け、報告書を作成するには
1つ目として、各柱には管理プレートが付けられていて、それを確認する
2つ目として、電力柱の何本か一本には柱状変圧器(トランス)という灰色のバケツのような設置されています。
柱状変圧器は電力柱のみ付いているので分かりやすいです。
また、地方によって様々な呼び方があります
電力会社の名前を頭に付けて
・北電柱(北海道電力)
・東電柱(東京電力)
・関電柱(関西電力)
・中電柱(中部電力)
などと呼ばれています。
何気なくある電柱ですが違いはしっかりとあるんですね
もし、何か電柱で自分への不具合があったときに、こんな使いわけをして電力会社などへ電話したら
「おっ、この人は分かってる人だな」「早めに対応しなきゃ」
なんてなるかもしれないですね(笑)
次回は実際に消防に関係がある、電力柱についている柱状変圧器について書いていこうと思います。